Konaおじさん’s blog

もっと自由に生きよう

ハワイ島メモリー


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 20代後半から、当時勤めていた財団の出向でハワイ島に赴任した。最初の数ヵ月は東側のヒロに住むことになった。日系人が多く住むヒロは「雨の街」と言われる程、雨量の多い地域で、それは同時に植物の生育には、この上無い環境だった。

 ヒロは大きな湾に面した土地柄、津波の被害で壊滅的な被害を受け、ホノルルに次ぐハワイ第二の都市にも関わらず、大きな発展もせず、ある時点で時間が止まったような雰囲気を持つ、オールドタウンが魅力的な街だった。

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 当時のボクの日課は、小雨の降る早朝5時30分、愛用のマウンテンバイクでダウンタウンにある古びたダイナーに向かうのが常だった。作家「片岡義男氏」の「ヒロ発11時58分」の舞台にもなった、エルシーズが毎朝、朝食を摂る場所だった。KEAWE StとMAMO Stが交わる四つ角の隅に佇むエルシーズは日系人のたまり場だった。ついこの間、気まぐれにGoogle mapで覗いて見たら、あの古き良き建物はすっかり取り壊され、隣接するKTA(ハワイのスーパーマーケット)の駐車場になっていた。

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 日系人2世の篠原ご夫婦が営んでいたエルシーズには、木曜日と日曜日を除くほぼ毎朝、本当にお世話になった。1990年代初頭の話だが、ご夫婦とも既にかなりの高齢で、いつもなんとなく弱々しい感じで心配だった。

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 しばらくして、ボクは2000ドルのオンボロピックアップトラックを手に入れた。エルシーズの常連客のヨナシロさんが経営していた「ヨナシロモータース」の片隅に、ホコリをかむったまま取り残のこされていたピックアップトラックだった。

 日系2世のヨナシロさんの奥さん、ジェーン・サチコ・ヨナシロさんが作る「ライスプディング」は本当に美味しかった。日本ではあまり馴染みのないライスプディングだけど、ほのかに甘味のあるライスプディングは、まさしくハワイ島の味だった。特にジェーンの作るライスプディングには、缶詰めのミカンが混ぜてあり、日本とアメリカの文化がミックスしたような、懐かしい味だった。

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