街道脇のノスタルジック食堂①
昔ながらの街道沿いに佇む、食堂やドライブインは今や絶滅危惧種である。
流通ルートの変化やバイパスの整備などのにより、日本全国から「愛しの食堂&ドライブイン」が姿を消している。
昭和そのものの、街道脇の食堂にはある種のロマンがあるのだ。
かすかに黄色みがかった、お茶を入れてくれるおばさんは、少し小太りの方が絵になる。ルリ水玉の湯のみに注がれた、味が殆どしないお茶を飲みながら、壁に掛かったメニューを眺める。
セピア色になった紙切れのメニューを眺めていると昭和40年代の少年時代をかすかに思い出す所がなかなか楽しい。今日は「チャーシュー麺」にしてみた。
「かんすい」の効いた、あの独特な麺の香りに、ややむせながら麺をすすると懐かしい記憶がよみがえってくるのが面白い。
片岡義男氏著、原作の「スローなブギにしてくれ」のワンシーンに出て来る食堂が、昔から大好きだった。
ふたりは、店に入った。街道ぞいによくあるトラック食堂だった。地元の男たちにたまり場もかねているらしい。ちらほらと客がいた。ジュークボックスの演歌が、大音量で鳴っていた(スローなブキにしてくれより抜粋)
だたっ広い店内の壁にはメニューが一杯だ。一体何種類の料理があるのだろうか?でもこんな時は、普段絶対に口にしない「天ぷら定食」を注文するのが極めて正しい選択。
天ぷらも「衣が分厚い、フリッターのような」面構えが「正しい大衆食堂の天ぷら定食」なのです。
街道沿いに面した食堂の駐車場には、たくさんの長距離トラックが停まっている。ドライバーたちは食堂に入るや否ら「瓶ビール」を注文し、炭水化物と脂質の王様「かつ丼の大盛り」を頼む人が多い。
ビールを数本飲んだトラックドライバーたちは、自慢の長尺トラックに戻ると、運転席の後ろや、天井の隙間に据え付けられた仮眠用ベッドに潜り込む。
長距離トラックドライバーと言う職業は、昔で言う羊飼いに似ている気がする。混沌とした令和の世の中において、こんなにロマンチックな職業も他に例を見ない気がする。
絶滅危惧種の街道沿いの食堂&ドライブインだけど、まだ営業しているだけ頼もしい。街道沿をあてもなく運転していると、既に廃墟と化したドライブインに出くわす。
いわゆる昔の「オートスナック」だ。
なんだか懐かしすぎて涙が出てくる。
きっと色んな出会いや物語があったのだろう。今は静かに朽ちていくだけ・・・
悲しいね。実に悲しい😖💦