Konaおじさん’s blog

もっと自由に生きよう

愛しの米軍ハウス

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 結局、原作「スローなブギにしてくれ」が全ての始まりだった。

 16歳だった高校生の秋、池袋にあるポルノ映画館で観た「映画 スローなブギにしてくれ」がボクのアイデンティティーを確立したのは言うまでもない。映画を観ながら、原作「スローなブギにしてくれ」と「俺を起こしてさよならと言った」、「ひどい雨が降ってきた」をミックスしてストーリーが創られていることに直ぐに気づいた。それくらい、片岡義男氏の短編小説やエッセイ、長編を愛読していた。

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 浅野温子演じる「さち乃」が、その後のボクの理想の女性になった。彼女の髪型(俗に言うワンレン)1つとっても、未だにボクの好みは変わらない。

 米軍ハウスフリークになったのも、この映画の影響だ。ムスタングの男が住む、福生にある米軍ハウスの佇まいやキッチンの冷蔵庫、カウンターテーブル、米軍放出品の家具に至るまで、それら全てがボクの原点なのだ。
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 都内から自転車で福生の米軍ハウス群を、たまに訪れる。さすがに現存する米軍ハウスの数はめっきり減ったが、それでも状態の良いハウスに出くわすと、その日1日気分が良い。横須賀、厚木や三沢等にある米軍ハウスと福生の米軍ハウスは何かが違うように感じてしまう。

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 ムスタングの男が住んでいた、米軍ハウスは映画の撮影が終わると同時に取り壊わされたらしいが、未だに界隈を散策すれば、スローなブギにしてくれの残り香に遭遇できるのが嬉しい。


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 みすぼらしハウスや朽ち果ていくハウスも多いが、何としてでも保存して貰いたいものだが・・・

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立川や入間に残る米軍ハウスと福生の米軍ハウスには、何故だか決定的に違うモノを感じる。

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 それは多分「人工的な保存」の差であろう。そう言った意味では、沖縄の外人住居(米軍ハウス)の、アノありのままの風貌は、福生のやれて寂れてしまったハウスに、良く似ていて心落ち着くのかも知れない。特に沖縄宜野湾の大山や牧港に残る、ハウス群の特に将校クラスが、かつて住んでいた建物は国宝級に近い程、価値があり何時間でも眺めていたくなる。