Konaおじさん’s blog

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旧東ドイツの生理学地下実験室


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 2017年3月、ドイツのベルリンに仕事の関係で3週間程滞在した。ベルリン郊外の森林の奥にその実験室はあった。

 建物は平屋の普通の一軒家に見えたが、そこは地下の巨大な実験室を持つ、旧東ドイツのスポーツ生理学人体実験室だった。
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 1964年の東京オリンピックが開催される、4年前の1960年には既にこの実験室で、スポーツパフォーマンスを向上させる為の、様々実験が行われていた。


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 地下実験室の大きさは、デカイ体育館とカヌー実験室、ステロイド実験室、メディカルルーム、コントロール室、そしてアスリートが寝泊まりする部屋を備える超巨大な規模だった。


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 実験室の入り口には減圧ハッチの鋼鉄製のドアが設置されていて、一旦合宿などの為、この中に入ると最低3週間外に出る事が出来ない閉鎖空間になり、中にはいるドクターやコーチも、選別された精神的にタフなスタッフしか入れなかったようだ。


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減圧された室内カヌー実験室では、1日10時間の練習とドクターによる薬物投与が終わるとそのまま、この中室内カヌー実験室で睡眠を取っていたとのこと。

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 トレーニング施設も減圧されており、当時としては最新の機器だっであろう、エアロバイクやトレッドミル、ユニバーサルマルチマシーンなどが配置されており、自然光の全く入らない空間で、選手たちはトレーニングしていたのだろう。


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 選手たちは宿泊する部屋も当然減圧された空間で、ベッドの横にむき出しのバスルームがある、非常に狭い室内だった。


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 メインコントロール室は地下の減圧閉鎖空間に入る手間にあり、室内の換気や空調、照明などの調整と、中にいる選手やスタッフの様子もモニターで監視出来るようになっていた。


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 1960年当時でもアナボリックをはじめとするステロイドの研究と実験が、この場所で行われていたようで、薬による影響と閉鎖空間に居る圧迫感で、精神に異常をきたす人も多かったようであるが、減圧を途中で止めることが出来ないので、病室に隔離されていたようだ。この施設が今から60年以上も前から稼働していたことに、驚きを隠せなかった。